カテゴリー: 初心者のための競馬入門

結局は単勝を当てないと。

競馬上級者には、今更の話ですが、そうでない人が陥りやすいのが、ボックス買いや多頭軸のフォーメンションなど、数打てば当たる的な多点数賭けです。

競馬投資会社(UPROなど)であれば、潤沢な資金と豊富なデータがあるので、多点数賭けでも利益が出るようですが、そうでなければ、多点数賭けでは儲かりません。

単勝は配当が小さいので、馬単や3連単など、他の券種を利用するうちに、なんとなくこの辺の2頭か3頭が馬券になるんじゃないか?といったフワッとした買い方してませんか?

それでも、当たることもあると思いますけど、多分収支はマイナスではないですか。

「何点賭けてもいいけど、当たるのは1点だよ。」

そんな言葉を聞いたことありませんか?
結果、万券だったとしても、点数が多ければ多い分だけ、利益は少ないですし、当たらなければすべてマイナスです。

とはいえ、無謀に一点買い、というのもいただけませんけど。

とにかく単勝を当てる、できれば高額配当を狙う。

どの券種で購入するにせよ、一着を当てること、一着の的中率を上げることが大切になります。そうなれば、馬単の点数は最大でも17点以下に抑えられますし、三連単でもやたらと買い目を広げる必要はありません。

そうです。的中率と回収率を両方改善したいと考えているのなら、まずは単勝を当てる方法を見つけましょう。
さまざまな予想方法の中でも、単勝に特化したものを中心に試して、その結果をもとに最適な予想方法を見つけましょう。
実際に賭ける必要はありません。毎週すべてのレースでいくつかの予想方法を同時に試して、的中率を確認し、どの条件のレースだと当たりやすいまたはハズレやすい、といったことを検証します。

さらに、各券種の配当額を比較することも大切です。的中率が高くても、配当が低いレースしか当たらないのなら、それに合わせた買い方が必要になりますし、3鞍程度しか当たらなくても、特定のレースで高確率で的中し、配当が大きければ、そこだけをピンポイントで狙う方法もあります。

普段の予想に活かして、的中率と回収率を安定させる

こうして、検証をしたらつぎに、これまでの予想方法と組み合わせてみます。5頭ボックスなら、選んだ単勝から5頭に流した際に、的中するのか、配当がプラスになるかを確認します。
もしうまく当たらないようなら、流す馬の決め方も、再度考え直す必要がありますが、多くの場合はそれほど変更しなくても、いぜにょりはいい結果。的中率と回収率を向上させることができることでしょう。

競馬の配当は、一時所得

前回まで、競馬というゲームと回収率の話をしました。みなさん各自、予想方法も、券種も、賭け金も違うので、あとは、それぞれの賭け方を再点検して、配当をプラスにしていってください。

今回は、配当がプラスになってからのことを考えてみたいと思います。

一番気になるのは、税金ではないでしょうか?たまに脱税や追徴課税で、競馬の所得に関するニュースが流れるたびに、競馬の配当にかかる税金が話題になっています。

一時所得とは?

競馬の配当は、一時所得に分類されます。一時所得には、

生命保険の一時金
懸賞や福引きの賞金品
競馬や競輪の払戻金
法人から贈与された金品
遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等

があります。

宝くじとスポーツくじは、所得税が免除されているので、課税されませんが、パチンコやネットカジノも課税対象です。

一時所得には、50万円の特別控除があるので、年間50万円までであれば、申告すら必要ありません。ただし、競馬の配当以外の一時所得を含めた合計が年間で50万円を超えれば確定申告をする必要があります。

また、給与所得者の場合は、給与以外の所得が年間20万円を超えない限り、確定申告をする必要はありませんので、最大90万円の一時所得であれば、控除分の50万円を差しい引いた40万円が対象となりそうですが、一時所得の算出は控除分を差し引いた額の1/2とされていますので、この場合は40万円×1/2なので、対象となる一時所得は20万円ということになるからです。

一時所得の課税対象額は、次の式で算出されます。

(一時所得の金額-経費-特別控除額)×1/2=一時所得の課税所得金額

したがって、経費にもよりますが、
①100万円なら、約25万円
②1000万円なら、約475万円
③1億円なら、約4千975万円
というのが、課税対象となります。

税額そのものは、総所得で決まってきますので、一概には言えませんが、

総所得金額×税率-控除額=所得税の金額

なので、②の場合、税率23%で控除額が63万6,000円です。③の場合は、ほかの所得がゼロでも、4千万を超えているので、税率45%、控除額が479万6000円となります。

控除と所得総額、一時所得の関係性と、税率の兼ね合いが分かりにくいので、実際には申告の際に税務署や税理士などにご確認いただきたいです。

税率は最大で45%、控除もあるけど、4000万円以上勝ったら

競馬以外の一時所得が無ければ、配当が年間50万円までなら、納税も申告も必要ありません。

よく話題になるのは、高額配当の税額です。年間の配当と他の所得の合計が4千万円を超えると、税率は45%ですから、競馬の配当などの一時金が3500万円なら、控除を差し引いて、約1500万円程度が税額となります。

ですから、WIN5で3億円を当てると、約13000万円を税金と納める必要があります。

経費は差し引けるけど、はずれ馬券は経費にならない。

一時所得でも経費の計上はできます。保険金の場合の賭け金などです。

競馬の場合、はずれ馬券を経費にできないか?という人がいますが、経費とは所得を得るために必要不可欠な支出のことです。
単純な話、20点に賭けても、1点賭けでも、数学上は的中率の差はほとんどありません。つまり、はずれ馬券が当てるために必要不可欠な支出とは言えないわけです。

また、全通りの買い目を買えば、収支はマイナスですし、何点買えば必ず収支がプラスになる、という明確な点数があるわけでもありません。

さらに、オンライン投票以外では、実際に何点に賭けたのか、はずれ馬券が本人のものなのかを確認する方法がありません。

もし、はずれ馬券を所得に対する経費もしくは損益として計上できるとなれば、年間収支がマイナスの場合、総所得から差し引かなければならない可能性があります。
そうなれば、毎週、毎日、近隣の競馬場や場外売り場で、はずれ馬券をかき集めれば、簡単に脱税できてしまいます。

ただし、日常的に、業務として競馬をしているのであれば、競馬新聞やネットなど情報を得るための支出、競馬場などへの交通費などは、経費になる可能性はあります。単に趣味であれば、他の趣味と同じく、いくら支出しても経費にはなりません。

競馬と税金の関係をざっくりと書いてみました。税額や控除額など詳しくは、専門家にご確認ください。

当てられるレースに、配当額を考えて賭ける

前回まで、競馬というゲームと還元率についてお話ししました。単純に的中率を追いかけても、競馬でプラス収支にすることはできない、ということがご理解いただけたかもしれません。

今回は、回収率を上げる方法を考えてみましょう。

①当たるレースに賭ける
②少ない買目で賭ける
③プラスになる配分で賭ける
⓸プラスになったら終了する

当たり前のことですが、この4つができれば、回収率が上がる可能性が高いです。
そのためには、普段の予想と結果がどうなのか、一度見直してみる必要があります。

当たるレースに賭ける

的中率を追いかけて、当てようとする必要はありません。まずは、どんなレース、どの時間帯、どの会場で的中することが多いかを調べてみましょう。
私の場合、毎週、2会場で各12鞍、合計24鞍を予想しています。その結果を見ると、当たりやすい会場もあれば、当たりにくい会場もありますし、前半の平場が当たりやすかったり、逆にオープン以上が当たりやすい季節や会場もあります。

人それぞれ、予想方法でまちまちだと思いますが、必ず当たりやすいポイントがあるはずなので、まず毎回当たっているレースにだけ賭けるようにしましょう。

例えば、夏のいまなら私の場合、新潟の方が札幌より当たりやすく、的中しやすいのは2R3R4Rの3鞍です。
そのため、毎週新潟の2R3R4Rだけに賭ければ、的中率は80%を超える可能性が高いです。もちろん、当たってもトリガミ、ということもありますが、比較的プラス収支になりやすくなります。

少ない買目で賭ける

的中するレースを選んでかけても、必ず当たるとは限りませんし、当たってもトリガミなこともあります。ここで考えることは、3鞍で平均いくら配当があるかということです。
一口100円換算で、3鞍の配当の合計が平均5000円だったとするなら、1鞍当たり17点以上も賭けてしまうと、トリガミになる可能性が高くなります。

この場合、各レースの配当が1700円以上ということではなく、はずれたり、トリガミになることがあっても、3鞍合計で5000円以上の配当が期待できるということです。
つまり、買い目を少なくするということは、的中数を犠牲にして回収率を上げる手段と言うことになります。

プラスになる配分で賭ける

つぎは、賭け金の配分です。先ほどの例のように、1鞍17点を賭けるとすると、券種にもよりますが、オッズにより配当は200円~数万円まであります。
予想した買い目が17点以下であれば、そのままかけてもいいですし、点数が少なければ、配当が低い買い目を多く購入して、トリガミを避けるのもいいでしょう。

ここで、確認してほしいのは、選んだ3鞍それぞれの、これまでの最低配当と最高配当がいくらだったかということです。
それが分かれば、オッズのどの範囲に予算を集中したらいいのかが分かります。とくに予想の買い目が17点を超えているような場合、上下どの範囲に賭けるのかが明確になります。

例えば、これまで、500円以上の配当で当たったことがないレースであれば、500円までの買い目で、できるだけ多く配当が得られる配分をする必要があります。
逆に、3000円以上の配当が続いているレースであれば、3000円を上限に買い目を選び直して、配分を考える必要があります。

これで、配当の改善がさらに図れることでしょう。

プラスになったら終了する

以上の方法で、回収率が100%を超えたら、そこで終了すればプラス収支で終われます。それが、賭け金と配当がプラマイゼロのトントンでも、そこで終わることが大切です。

ただし、ここまでで必ず回収率が100%を超えるとは限りません。あくまでも、これまでの予想結果をもとにした賭け方ですから、配当がマイナスになっている場合もあると思います。

そうした場合の選択は2つあります。

①その後のレースを続ける
②翌日、翌週に持ち越す

以前、書いたように、競馬は賭け続ければ、回収率は70%に収れんします。ですから、お目当てのレースが終わった段階で、回収率が70%未満なら、その後もレースを続ければ、回収率が70%になる可能性があります。
ただし、回収率を70%にすることと、収支が増えることは必ずしも一致しないことは、前回お話しした通りなので、大負けでない限りは、翌日か翌週に持ち越した方が無難です。

さて、こうした方法を試しても、回収率が上がらない、プラス収支に程遠い、というのであれば、それは予想自体の安定性が低いことが考えられます。安定して当たるレースがないと、一発は期待できても、日常的に収支をプラスにすることは難しいです。


何度も賭ければ、賭けるほど、還元率に近づく。

前回、少し還元率の話をしました。還元率を気にする必要があるのは、日常的に何度もギャンブルを行う場合です。

一生に一回だけ賭けた場合、配当がゼロ、ということもあれば、何百倍にもなることもあり、還元率とは無縁です。

株やFXなどの投資でもそうですが、ギャンブルの場合も、賭ける回数を重なれば重なるほど、配当(利益)は、特定の割合に収れんされます。

競馬などのギャンブルでは、還元率に限りなく近づくわけです。

A.毎回、参加者で賭け金を奪い合うギャンブルの場合
①宝くじ:還元率46%
②オートレース:還元率70%
③競輪:還元率75%
⓸競艇:還元率75%
⓹競馬:還元率70~80%
これらは、毎回、決まった数の中から、当たりを見つけるて賭けるゲームです。

B.胴元と勝負して、勝ち負けで利益を得るギャンブルの場合
①パチンコ、スロット:還元率80~85%
②オンラインカジノ:還元率93~98%
これらは、参加者数に関係なく、胴元が提示したゲームに勝てば利益が得られます。

当たり外れが混在するという条件で、日常的にお金を賭けた続けた場合、回収できる金額の割合が還元率です。したがって、競馬を一ヵ月より、一年、10年と続けていくと、数学的には約70%(券種による)が手元に残ることになります。

また、「A」と「B」の違いは、「A」では毎回、毎レースの総賭け金の還元率分が、必ず的中者に分配されますが、「B」は胴元との勝負なので、的中した場合、参加人数や回数とは関係なく、所定の配当額が支払われ、参加者全員が損をすることもあれば、胴元が損をする場合もあります。

さらに、「A」では、必ずしも的中率が高いからといって、収支がプラスになるとは限りませんが、「B」は的中率(勝ち数)が収支を大きく左右します。

話を競馬に戻しましょう。

競馬では、的中率がゼロでない限り、何度もレースに賭ければかけるほど、手元に残るお金は約70%に近づきます。もし、昨日までの回収率が50%なら、この先70%になる可能性が高いですし、現在回収率120%だとしても、この先続けると70%になってしまうことになります。

これは、一日の中でも起こります。

JRAの2場開催であれば、各12れーす、合計24レースが行われます。1レースから順番に賭けていった場合、前半6レースで回収率が40%と負けているなら、その後も賭けていけば、いずれ70%に近づくので、あきらめずに賭けた方がいいかもしれません。

逆に、回収率が100%を超えたとしたら、その先は目減りするだけなので、そこで賭けるのをやめた方がいいでしょう。競馬は勝ち逃げ、と言われるのはこうした理由があるからです。

ここで気を付けないといけないのは、100%を切っている場合、回収率と回収額は違うということです。先ほどの例でいえば、前半6レースまでで回収率40%の場合、合計5万円賭けているなら、負けは3万円です。そして、その後のレースに5万円を賭けて、回収率が70%になったとしても、賭け金の総合計が10万円なので、負けは変わらず3万円です。

つまり、負けを取り戻すには、それまでよりも少ない額で、確実に回収率を上げる必要があります。もちろん、大荒れの万馬券を当てることができるのなら、その限りではありませんが、その後のレースで万馬券が出るとは限らないです。

まずは、還元率と回収率を頭に入れ、現状をしっかりと把握し、その後のレースや来週のレースにどう対応するか、漫然と賭けるのではなく、いつのどのレースにいくら賭けるのかを考えてみましょう。それがプラス収支に近づく方法です。

年間収支が約7割で、なぜ及第点なのか?

前回、競馬というギャンブルは、どの馬に賭け金の総額が乗っかているのかを当てるゲームだ、というお話をしました。

話を分かりやすくするために、単勝を例に、100人が1,000円ずつ賭けた場合、一人しか賭けていない場合は10万円、50人が賭けていれば2,000円の配当になる、ということです。

しかし、実際にはこの場合、参加者の賭け金総額の80%が払い戻し率になります。いわゆる還元率または期待値、と呼ばれるもので、競馬の場合は券種(単勝や複勝、三連単など)によって異なります。
どういうことかというと、競馬は胴元(主催者)がゲームに参加しないギャンブルで、胴元の収益は寺銭(控除)として掛金から差し引かれています。

つまり、馬券(勝ち馬投票券)一口は100円ですが、単勝の場合そこから20%を控除した80円が一口あたりの賭け金になります。そのため、100円を賭けて80円の配当があれば、システム上は勝ちになるわけです(元払いではない)。

この胴元の控除は、券種によって、20%~30%まで控除率が異なりますので、競馬全体(馬券)としての還元率は、約70%となっています。

前回の例にこの還元率を加味すると、単勝の還元率は80%ですから、100人が1,000円ずつ賭けた場合、一人しかかけていない馬が当たりだとしても8万円しか配当がなく、50人が当てた場合も一人あたり1600円しか配当が得られない、ということになります。

したがって、100人全員が当てた場合には、一人あたり800円しか返ってこないわけです。

競馬というゲームにおいて、賭け金の約7割が返ってくれば、及第点(勝ち)というのは、この還元率によるものです。
それでも、現実的には賭け金の10割以上が返ってこなければ、ギャンブルとしては勝ちではありません。競馬において、的中することは大切ですが、この7割と10割のギャップを埋めることの方が実は重要です。

以前、南関競馬のネット投票で、全12鞍(レース)的中させたことがありますが、収支はマイナスだったことがあります。逆にJRAで3鞍しか賭けず、的中1鞍で収支が4500%プラスになったこともあります。

まずは、当たらないと意味はないですが、実はどのレースに、どれだけ賭けて、どれだけ回収するか、それが競馬というギャンブルの本質なんです。各レースで、どの馬が勝つかで一喜一憂していては、競馬で、ギャンブルで、勝つことはできないんです。