前回、少し還元率の話をしました。還元率を気にする必要があるのは、日常的に何度もギャンブルを行う場合です。
一生に一回だけ賭けた場合、配当がゼロ、ということもあれば、何百倍にもなることもあり、還元率とは無縁です。
株やFXなどの投資でもそうですが、ギャンブルの場合も、賭ける回数を重なれば重なるほど、配当(利益)は、特定の割合に収れんされます。
競馬などのギャンブルでは、還元率に限りなく近づくわけです。
A.毎回、参加者で賭け金を奪い合うギャンブルの場合
①宝くじ:還元率46%
②オートレース:還元率70%
③競輪:還元率75%
⓸競艇:還元率75%
⓹競馬:還元率70~80%
これらは、毎回、決まった数の中から、当たりを見つけるて賭けるゲームです。
B.胴元と勝負して、勝ち負けで利益を得るギャンブルの場合
①パチンコ、スロット:還元率80~85%
②オンラインカジノ:還元率93~98%
これらは、参加者数に関係なく、胴元が提示したゲームに勝てば利益が得られます。
当たり外れが混在するという条件で、日常的にお金を賭けた続けた場合、回収できる金額の割合が還元率です。したがって、競馬を一ヵ月より、一年、10年と続けていくと、数学的には約70%(券種による)が手元に残ることになります。
また、「A」と「B」の違いは、「A」では毎回、毎レースの総賭け金の還元率分が、必ず的中者に分配されますが、「B」は胴元との勝負なので、的中した場合、参加人数や回数とは関係なく、所定の配当額が支払われ、参加者全員が損をすることもあれば、胴元が損をする場合もあります。
さらに、「A」では、必ずしも的中率が高いからといって、収支がプラスになるとは限りませんが、「B」は的中率(勝ち数)が収支を大きく左右します。
話を競馬に戻しましょう。
競馬では、的中率がゼロでない限り、何度もレースに賭ければかけるほど、手元に残るお金は約70%に近づきます。もし、昨日までの回収率が50%なら、この先70%になる可能性が高いですし、現在回収率120%だとしても、この先続けると70%になってしまうことになります。
これは、一日の中でも起こります。
JRAの2場開催であれば、各12れーす、合計24レースが行われます。1レースから順番に賭けていった場合、前半6レースで回収率が40%と負けているなら、その後も賭けていけば、いずれ70%に近づくので、あきらめずに賭けた方がいいかもしれません。
逆に、回収率が100%を超えたとしたら、その先は目減りするだけなので、そこで賭けるのをやめた方がいいでしょう。競馬は勝ち逃げ、と言われるのはこうした理由があるからです。
ここで気を付けないといけないのは、100%を切っている場合、回収率と回収額は違うということです。先ほどの例でいえば、前半6レースまでで回収率40%の場合、合計5万円賭けているなら、負けは3万円です。そして、その後のレースに5万円を賭けて、回収率が70%になったとしても、賭け金の総合計が10万円なので、負けは変わらず3万円です。
つまり、負けを取り戻すには、それまでよりも少ない額で、確実に回収率を上げる必要があります。もちろん、大荒れの万馬券を当てることができるのなら、その限りではありませんが、その後のレースで万馬券が出るとは限らないです。
まずは、還元率と回収率を頭に入れ、現状をしっかりと把握し、その後のレースや来週のレースにどう対応するか、漫然と賭けるのではなく、いつのどのレースにいくら賭けるのかを考えてみましょう。それがプラス収支に近づく方法です。